
今回は、「グルテンフリー」がパーキンソン病に与える影響についてのお話です
最近、リハビリの現場やご家族の方からこんな質問を受けることが増えてきました。
「パーキンソン病って、グルテンを抜くと良くなるんですか?」
たしかに「グルテンフリー(gluten-free diet)」という言葉はよく耳にしますよね。セリアック病や小麦アレルギーの方が実践するものという印象が強いですが、実は今、「パーキンソン病にも良いのでは?」と注目されているんです。
今回は、2024年の国際パーキンソン病学会で発表された最新の研究をもとに、「グルテンフリー食がパーキンソン病にどんな影響を与えるのか」について、わかりやすく解説していきます。

グルテンフリーって、ただの健康ブームと思われがちですが、ちゃんとした研究も増えてきているんですよ!
そもそも「グルテン」って何?どうしてパーキンソン病に関係あるの?
グルテンとは、小麦やライ麦、大麦などに含まれるたんぱく質の一種で、パンや麺類などのもちもち感やコシを出してくれる成分です。
でもこのグルテン、一部の人にとっては腸に炎症を起こす原因になることがあるんです。
パーキンソン病では、腸の慢性的な炎症が進行に関係しているという説があり、特に「腸内の炎症が脳のα-シヌクレインの蓄積を増やす」という研究もあります。



パーキンソン病の発症や進行に“腸”が関係しているって、ここ数年でかなり注目されているんです!
だからこそ、「腸にやさしい食事」が注目されていて、その一つがグルテンフリー食なんですね。
今回の研究:パーキンソン病の方に1年間、グルテンフリー食を実践してもらった
この研究は、チェコ共和国の研究チームによって行われたものです。内容をわかりやすくまとめると、こうなります:
• 対象:パーキンソン病の方20名(平均年齢64歳)
• 期間:1年間
• 方法:完全なグルテンフリー食を実践してもらう
• 評価:認知機能、歩行、血液検査、腸内代謝物、運動症状などを評価
つまり、「1年間グルテンを完全にカットした生活で、パーキンソン病に変化があるか?」を見たというわけですね。
その結果…驚くような変化が!
まず注目されたのは、「認知機能」と「歩行能力」に関する改善です。
具体的には:
• MoCAスコア(認知機能テスト)が明確に改善(p<0.001)
• TUG(立ち上がって3m歩いて戻るテスト)の時間が短縮(p<0.001)
• 血糖値(グルコース)にも減少傾向(p=0.053)



認知や歩行に改善が出たというのは、すごく現実的な希望になりますね。リハビリと食事の相乗効果、まさにそれです!
「運動症状(MDS-UPDRS)」はどうだったの?
パーキンソン病のリハビリ評価でよく使われる「MDS-UPDRS」というスコアも調べられました。
1か月目には一部のスコア(Part I, II, III)で改善が見られましたが、12か月後にはその差は統計的に有意ではないとされました。
ただし、患者さん本人の感じ方としては、「最初のうちは動きやすくなった」といった声もあったようです。
腸内の代謝物も変化していた!
この研究では、「腸内代謝物(メタボローム)」の変化も細かくチェックされています。
グルテンフリー食を1年続けたことで、以下のような代謝物に明らかな変化があったとのこと:
• アセテート(酢酸)
• アラニン
• アスパラギン
• グルコース
• グリセロール
• ヒポキサンチン
• 乳酸 など
💬白石のコメント:



こういう“腸の中での変化”って、普段のリハビリでは見えない部分なので、すごく貴重な視点です!
安全性・継続性は?続けられるの?
「グルテンフリーって大変そう…」という声もありますよね。
今回の研究では、全員が1年間継続できたとのこと。副作用や大きなトラブルもなかったそうです。
• パンや麺を食べる習慣の見直し
• グルテンフリー商品への切り替え
• 家族の協力や医師の支援
こうした工夫があれば、現実的にも「可能な食事療法」として評価できます。
自費リハビリとの相性は抜群!
自費リハビリでは、「運動指導+栄養・生活習慣のサポート」が同時にできるため、グルテンフリーのような食事療法を組み込むにはぴったりの環境です。
たとえば…
• 1週間ごとの体調・腸の調子のチェック
• 食事日記アプリと連動してアドバイス
• 歩行と認知の評価とリンクさせて見る
こうした“オーダーメイドの支援”ができるのが自費リハビリの強みですね。



「歩きやすくなった」「集中しやすくなった」…そんな実感を引き出すのが、グルテンフリー×自費リハビリの可能性です!
まとめ:グルテンフリーは、パーキンソン病の“未来の治療”になるかもしれない
今回の研究でわかったことを、あらためて整理してみましょう。
• グルテンフリー食はパーキンソン病でも安全に続けられる
• 認知機能と歩行能力に改善の可能性
• 腸内代謝物にも変化あり
• 運動症状への効果は「今後に期待」
もちろん、これはあくまで20人の予備的な研究ですので、結論を出すにはまだ時間がかかります。でも、「腸を整える食事療法」は、これからのパーキンソン病管理に欠かせないテーマになるでしょう。



食事は“毎日の投資”。運動や理学療法と並んで、“食べ方”を考えることが、パーキンソン病を前向きに生きる力になると思っています!
ご相談もお気軽に!
「自分にグルテンフリーは合っているのか不安…」
「どこまで制限したらいいの?」
「運動やリハビリと組み合わせてみたい」
そんなときは、ぜひご相談ください。オンラインでの食事アドバイス+自費リハビリプログラムの提供も行っています。
パーキンソン病と向き合う毎日を、少しでも心地よく、元気に過ごせるように。理学療法×食事×生活のサポート、これからも一緒に考えていきましょう。
引用・参考文献:
H. Brožová, K. Poláková, T. Gentileová, M. Fialová, M. Kubjatková, J. Rusz, M. Sap, M. Kuzma, H. Pelantová, M. Jandová, D. Funda.Long term evaluation of gluten-free diet in Parkinson’s disease patients
URL:https://www.mdsabstracts.org/abstract/long-term-evaluation-of-gluten-free-diet-in-parkinsons-disease-patients/
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