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パーキンソン病必見!時短でできる「カンタン筋トレ」の方法

今回は、パーキンソン病の方やそのご家族に向けて、「最小限でできる筋トレ」についてお話しします。

理学療法士としてリハビリに関わる私にとっても、そして日々の運動に悩んでいる皆さんにとっても、とても参考になる内容です。

筋トレって、週に何回も、長い時間やらないと意味がないんでしょ?」と思っていませんか?

運動の頻度が重要なことは間違いありませんが、最近の研究では、もっと少ない「量・頻度」でもしっかり効果が出ることが分かってきたんです。

この内容はパーキンソン病の方にも応用できる可能性があると思うので紹介させて頂きますね。

白石

続けることはもちろん大切です。
でも、続けられるように”量や頻度”を工夫するって視点、すごく大事なんです

ではさっそく、この「最小限でできる筋トレ」の考え方と、それがパーキンソン病の方にどう役立つのかを見ていきましょう。

本記事の構成

なぜ最小限の筋トレが注目されているのか?

多くの人が筋トレをしていません。その理由のトップは「時間がないから」。これは日々の臨床現場でも圧倒的に多い理由の一つです。
実際、ある調査では、全体の約80%の人が筋トレにまったく取り組んでいないことが分かっています。

ですが、「筋力」は健康にとってとても重要な因子です。

とくにパーキンソン病の方にとっては、筋力の低下は転倒や日常生活動作の低下に直結してしまいます。
そこで注目されているのが、「最小限できる筋トレ」です。

つまり、少ない頻度や時間でも、効果が得られる筋トレ方法です。

5つの「最小限筋トレ」戦略とは?

この研究では、5つの筋トレスタイルが紹介されています。

それぞれに特徴があり、どれも「筋力を高める効果がある」と結論づけられています。

ここでは、それをパーキンソン病の方の生活に置き換えてみてご紹介したいと思います。

⑴.週1回集中型運動

週に1回だけ、まとまった時間に筋トレを行う方法です。
たとえば、日曜日の午前中に30〜60分ほど筋トレする感じです。

「週1回じゃ少なすぎるのでは?」と思われるかもしれませんが、実際に筋力は上がるという研究結果があるんです。

もちろん、週2〜3回の方が理想ではありますが、「まったく何もやらない」よりは大きな前進です。

白石

週1回でも筋力アップにつながるなら、始めやすいですよね。
『忙しいから運動はムリ』と思っている方こそ、チャンスです

⑵.1セットだけ運動

筋トレの「セット数」を減らす方法です。

通常は1種目につき3セットが一般的ですが、これは「1セットだけ」でOKとする考え方です。

しかも、それを週に2回くらいやるだけで、しっかり筋力アップが見込めます。

たとえば、

• スクワット:1セット(10〜15回)
• 腕立て伏せ:1セット
• 体幹トレーニング:1セット

これを週に2〜3日だけでも十分です。

白石

『1セット』でも疲れすぎてしまうことがあります。
その場合は5回でもOKです。

⑶.ちょこちょこ運動

これは1日の中で数分ずつ、ちょこちょこと運動するスタイルです。

たとえば、朝にスクワットを10回、お昼に腕の運動、夕方にふくらはぎの運動…というように「分割して」行います。

高齢者やパーキンソン病の方には非常に取り入れやすいスタイルです。

白石

パーキンソン病の方にとって、“1日中じっとしている”ことがかえって症状を悪化させることもあります。
ちょこちょこ運動は生活リズムの中に自然に取り入れやすいんです

⑷.1回だけ全力運動

1日に1回だけ、最大の力で運動を行うスタイルです。

たとえば、「重たい荷物を1回持ち上げる」といった感じ。

これは筋力を強く刺激するため、短時間で高い効果が期待されますが、やや難易度が高いです。

安全に配慮が必要なので、パーキンソン病の方には理学療法士などの専門家のサポートを受けるとよいでしょう。

白石

この方法は“強度が高い”ため、症状が安定していて、運動に慣れてきた方におすすめします。最初からは無理せず段階的に

⑸.筋肉のびのび運動

筋肉が「伸びるときの力」にだけ注目する方法です。

たとえば、

• ゆっくり座る(スクワットの下降だけ)
• ゆっくり下ろす(腕の運動で物をゆっくり置く)

などが該当します。

これらは、筋力を効率的に鍛えられるだけでなく、関節への負担も少ないのが特徴です。

白石

パーキンソン病では、姿勢の保持や動作の“戻し”が苦手な方も多いです。そういうとき、エキセントリック運動はリハビリ効果が高いです

最小限でできる筋トレはどこに効果があるのか

パーキンソン病では、「すくみ足」「姿勢保持困難」「バランス障害」など、運動に関する多くの問題があります。

これに対して、筋力を高めることは直接的な改善要因になり得ます。

下肢筋力がつけば歩行が安定する
体幹筋力がつけば姿勢が崩れにくくなる
腕の筋力がつけば転倒時の防御ができる

つまり、最小限でも「やらないよりは絶対に良い」。

それどころか、無理なく継続できることで「効果が出やすい」と思います。

白石

続かないリハビリよりも、毎日1分の“ちょこっと筋トレ”。
それが結果的に最も効果的なリハビリになることもあります

最小限でも、筋トレは「ゼロより確実に良い」

今回ご紹介した5つの方法は、どれも筋力アップの効果があります。

しかも、すべて「短時間」「少ない回数」でOK。

パーキンソン病の方にとって、運動習慣を継続するのは決して簡単ではありません。

だからこそ、この「最小限でできる筋トレ」という考え方はとても役に立ちます。

リハビリに取り組む方はもちろん、これから運動を始めたい方にも、「まずはこの方法から」試してみてはいかがでしょうか。

白石

運動=つらいもの」というイメージがある人も多いと思います。
1日2分の筋トレから始めてみませんか?

参考文献

Nuzzo, J. L., Pinto, M. D., Kirk, B. J. C., & Nosaka, K. (2024). Resistance Exercise Minimal Dose Strategies for Increasing Muscle Strength in the General Population: an Overview. Sports Medicine, 54, 1139–1162.
https://doi.org/10.1007/s40279-024-02009-0

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