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パーキンソン病向けオンラインリハビリの効果とメリット

今回は、パーキンソン病の患者さんやご家族、支援者の方に向けて、最新のリハビリ研究をご紹介したいと思います。

そのテーマは「オンラインで行うパーキンソン病リハビリの効果と満足度」についてです。

新型コロナウイルスの影響で、ここ数年で私たちの生活は大きく変わりました。
最近では元の生活に戻っている人も多いですが、パーキンソン病の方の中には今もなお外出に対して不安を感じている人もいるのではないでしょうか。

リハビリに関しても通院の頻度が減ることでリハビリを受ける機会が減ってしまった方も少なからずいるかと思います。

そんな中、注目されているのが「オンラインリハビリ」です。今回は慶應義塾大学と湘南慶育病院による最新の研究をご紹介します!

白石

リハトレスタジオ世田谷でもオンラインリハビリを導入している立場なので、今回の研究結果には大きな可能性を感じています!

本記事の構成

オンラインリハビリってどんなもの?

オンラインリハビリとは、インターネットを使って、自宅にいながらパーキンソン病のリハビリを行う方法です。
パソコンやスマホ、タブレットなどを使い、リハビリ専門職とつながって、専門的な運動やアドバイスを受けることができます。

この研究では、当スタジオでも活用しているZoomを用いて、「週2回、1回40分のオンラインリハビリを6ヶ月間」行いました。内容は「椅子に座った状態でできる運動」が中心。また、リハビリだけでなく、医師からの講義や日常生活のアドバイスなどもあり、知識と実践の両面から支えるみプログラムとなっています。

さらに、参加者がカメラをオンにして行うことで、理学療法士が細かく動作を確認し、その場で声かけや修正も行うことができるので、オンラインであっても「双方向性」がしっかり保たれているのが特徴です。

当スタジオでも、1回30-40分程度の運動プログラムを提供しており、カメラオンでの参加とすることで交流を深めることも特徴としています。
また、今回研修したプログラムとの大きな違いは「立ってやるプログラム」と「座ってやるプログラム」の両方を用意している点です。参加する方によって体力レベルは異なるため、運動負荷のレベルを複数用意しておくことで、個々の体力に合わせた最適なプログラムをお届けしています。

オンラインリハビリの効果と満足度

本研究に参加したのは56名のパーキンソン病患者さん。平均年齢は73.8歳、病気の期間は6年ほどです。年齢層が高くても、テクニカルサポートや家族の協力で、オンライン環境にスムーズに適応された方が多かったのが印象的です。

また実施後のアンケート結果は、なんと、「91.1%の方が満足」と回答!
さらに「91.9%の方が運動習慣が身についた」と答えています。

白石

『運動習慣がついた』というのは、すごく大事なポイントです!
運動は継続することが何より効果につながります。

具体的には、

・50%の方が「手足の動きが良くなった」
・71.4%の方が「気持ちが前向きになった」
・73.2%の方が「仲間とつながれて良かった」

といずれもポジティブな感想がでていました。
リハビリの効果は身体だけでなく、気持ちの面にも現れているようですね。

中でも「気持ちが前向きになった」という声は、QOL(生活の質)向上にとって非常に大切な要素です。
定期的な運動を通じて「できること」が増えることで、自然と自己効力感が高まり、日常生活全体への意欲も湧いてくきたのかもしれませんね。

なぜこんなに満足度が高かったのか

このプログラムでは、ただ運動するだけではなく、毎回のセッションに医師や理学療法士が参加して、生活の工夫や最新の治療情報をミニレクチャーしてくれます。こういった情報を得られるのは、情報へのアクセスが難しい方でも、安心して学べる機会が提供されたので非常にありがたいですね。

白石

正しい知識を得ることで不安感を減らしてくれます。
専門家から情報を得ることで、前向きな気持ちになれる方が多いと思います!

また、仲間と一緒に取り組むことの効果も見逃せません。
孤独感が軽減され、リハビリを継続するモチベーションが高まります。

さらに、参加者同士で「がんばろう」という気持ちが芽生えたという声も多く、心理面への良い影響がうかがえます。

当院が運営しているオンラインサロン「プロエル」でも、リハビリや治療に関する最新情報をお届けしていたり、メンバー同士が交流できるような環境を整えているので、「仲間がいるという安心感がある」という声を多くいただいています。

オンラインリハビリの課題

ただし、オンラインリハビリもすべてが順風満帆だったわけではなかったそうです。
生活の質(QOL)を数値でみると、全体的には有意な改善は見られませんでした。

56人中19人の方はQOLが改善してという結果でした。

特に「歩行」「日常生活動作」「気持ちの落ち込み」「人とのつながり」「身体の不快感」が良くなったと報告されています。

ここでポイントとなるのが、改善した人の共通点です。

改善が見られた方に共通していたのは「継続的に参加していたこと」と「積極的な取り組み姿勢」です。

ここは非常に大切ですね。効果をポジティブなものにするには「継続すること」と「積極的な関わりをもつこと」は極めて重要だと思います。

白石

今回の結果は全員に効果が出るわけじゃありませんでした。
でも、「関わり方次第で大きなプラスになる」といえますね。

また、病状の進行や併存疾患の影響によって、効果が限定的になる方もいたそうです。
だからこそ、個別性を重視したプログラム作りが大切だと感じます。

当スタジオでも、皆さんからのリアルな声を積極的に取り入れることで、個別性の高いプログラムをお届けするよう心がけています。

オンラインリハビリの「使いやすさ」

また、オンラインリハビリの使いやすさも、非常に高く評価されました。

・役立つ:76.1%
・使いやすい&学びやすい:73.5%
・画面の見やすさ:75.4%
・満足&今後も使いたい:82.2%

特に高齢の方にとって「使いやすさ」は非常に重要な要素です。
多くの方が「家族のサポート」「事前の練習」「スタッフからのフォロー」によって、安心して取り組むことができたと答えています。

白石

ITに不慣れな方でも、周囲の支えとちょっとした工夫で、案外すぐに慣れるものですよ。

私の経験値としても、最初は使い方が分からず苦戦している方は多いですが、慣れると以外と問題なく使える方が多いと感じています。

オンラインリハビリは、以下のような方におすすめ

・外出が不安な方
・遠方に住んでいて通院が難しい方
・人とつながりたい方
・自宅で安心してリハビリを続けたい方

特に「孤独を感じやすい方」や「外出に不安がある方」には、メンタル面でも大きな支えになるはずです。

今後の課題と展望

この研究ではいくつかの課題が挙げられています

・重症の方や機器の操作が難しい方にはハードルがある
・対面と比べた効果検証はまだ不十分
・長期間の効果はこれからの課題

その一方で、技術の進歩やサポート体制の整備が進めば、より多くの方が安全かつ効果的にオンラインリハビリを受けられる時代が来ると期待されています。また、AIやウェアラブルデバイスとの連携も、将来的には大きな可能性を秘めています。

白石

未来のリハビリは“選べる時代”になると思います。
必要に応じて、リアルとオンラインを自由に組み合わせる。それが理想だと思います。

まとめ

オンラインリハビリは、パーキンソン病の方にとって「新しい可能性の扉」だと感じています。

リハビリは「続けること」が何よりも大切です。そして「つながること」も大切です。皆さん一人ひとりに合った形で、楽しく、前向きに、ぜひリハビリを続けていってくださいね。

当スタジオでもより良いオンラインリハビリが届けられるよう、これからも皆さんの声を聞きながら柔軟に対応していきたいと思います。

皆さんのリアルな声をお聞かせください。

参考文献

Satisfaction, effectiveness, and usability of telerehabilitation for Parkinson’s disease patients.
https://doi.org/10.2340/jrm.v57.39819

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