「パーキンソン病にリハビリは重要」
この事はデータで示すまでもなく自明的なことであり、あえて言うまでもないでしょう。ただ、このコラムでは”どのように重要なのか”をもう一歩踏み込んで考えていきましょう。
そもそも”ガイドライン”という言葉は、我々専門家であればどういったものなのか理解していますが、パーキンソン病の当事者にとっては誤って認識している恐れがあるかもしれないので、まずはガイドラインとはそもそも何なのかについて述べたいと思います。
1.そもそもガイドラインとは?
一般の日本語でいうガイドラインとは、”指針・指導目標”という意味で用いられています(広辞苑)。
こういった意味をそのまま解釈してしまうと、”ガイドラインに書かれていることは必ず遵守すべきもの”と誤解しまいそうになりますよね。
医療で使われるガイドラインの正しい解釈は
「必ず順守すべきものではなく、治療の方向性や具体的な方法を決めるときの参考にするもの」
となります。
また、診療ガイドラインは医療従事者だけのものではなく、当事者も一緒になって治療の方向性を考える時に参考にするものでもあります。
そう考えたら、パーキンソン病当事者自身もガイドラインにどんなことが記載されているのかを把握しておくことは大切です。
2.ガイドラインにおけるリハビリテーションの有効性
2018年に出版されたパーキンソン病診療ガイドラインの中で、リハビリテーションに関する記述はわずか3ページという点は残念ではあるものの、
”有効性・安全性ともに高い”
”早期〜進行期までどのステージにおいても介入すると有効性が高いと思われる”
といった点が述べられています。
ただ、臨床場面においてリハビリに関する理解の認識にもギャップがあることを多々経験します。
臨床の中でリハビリの実践状況を確認すると、「毎日散歩しています」といった発言をよく耳にします。
「散歩=リハビリ」かと言われると必ずしもNOではないものの、身体に対して必要な負荷をかけるには十分とは言えません。
具体的に有効な運動療法はまた改めて解説しますが、「普段のリハビリでは散歩しかしていない」という方は一度専門家に相談してみてくださいね。
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