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【パーキンソン病】「すくみ足」の正体が判明?最新の国際基準を解説


こんにちは!リハトレスタジオ世田谷の白石です。

みなさん、歩こうとした瞬間に足が地面に張り付いたようになってしまう「すくみ足」の症状で、怖い思いをしたことはありませんか?

「横断歩道で急に止まってしまったらどうしよう」「狭い場所を通るのが怖い」……

そんな不安を抱えている方は本当に多いですよね。

実は最近、この「すくみ足」について、世界中のパーキンソン病の専門家たちが集まり「新しい定義」を決めたという、とても重要な論文が発表されました。

「定義が変わると、私たちの生活にどう関係あるの?」と思われるかもしれません。

しかし、正しく症状を分類することは、より効果的なリハビリが生み出される第一歩なのです。

今回は、この最新の国際的な論文についてお話しします。

「私のこの症状もすくみ足だったんだ!」という発見があるかもしれませんよ。


本記事の構成

今回のニュース:なぜ「すくみ足」の定義が見直されたの?

これまで、パーキンソン病の「すくみ足(FOG:Freezing of Gait)」は、医師や研究者によって捉え方が微妙に違っていました

例えば、「足が完全に止まっている状態」だけをすくみ足と呼ぶ人もいれば、「足が震えている状態」も含める人もいたのです。これでは、新しい薬やリハビリの効果を検証しようとしても、基準がバラバラで正確な研究ができませんでした

そこで今回、「国際すくみ足コンソーシアム(ICFOG)」という専門家グループが結成され、膨大なビデオデータを分析し、議論を重ねて「これがすくみ足です」という世界共通のルールを作り上げました。

これは、今後の治療研究を加速させるための、非常に重要な土台となります


新しい「すくみ足」の定義とは?

では、具体的にどのような状態が「すくみ足」と定義されたのでしょうか?

新しい定義では、以下のように説明されています。

「歩こうとしているのに、一歩を踏み出せない、突発的なエピソード」

少し難しいですね。ポイントは以下の3つです。

  • 「歩こうとしている」こと:ただ休んでいるわけではありません。
  • 「突発的」であること:ずっと調子が悪いのではなく、急に起こります。
  • 「一歩が出ない」こと:これが重要です。足が完全に止まっていなくても、前に進めていなければ「すくみ足」に含まれます。

つまり、足が地面から離れていても、バタバタと足踏みして前に進めていなければ、それも「すくみ足」だと明確に決められたのです。

「すくみ足」には3つのタイプがある

今回の発表で、すくみ足は見た目の特徴から以下の3つに分類されました

無動型(Akinetic): 足が全く動かず、地面に張り付いている状態。これまでの典型的なイメージです。
・震え型(Kinetic-trembling): 足がガクガクと小刻みに震えている状態(足踏みのような動きだが、前に進まない)。
・非震え型(Kinetic-no-trembling): 震えはないけれど、チョコチョコとした小さな歩幅で、効果的に前に進めていない状態(いわゆる突進現象の一部などもここに含まれます)。


この新しい分類によって、以下のようなメリットが期待されます。

  • 症状の見落としが減る: これまで「ただの小刻み歩行」と思われていたものが、正式に「すくみ足の一種」として認識され、適切な対処を受けやすくなります。
  • 自分に合った対策が見つかる: 「震えるタイプ」と「固まるタイプ」では、効きやすいリハビリや薬の反応が違う可能性があります。タイプ分けが明確になったことで、今後の研究で「あなたにはこの方法がベスト」という個別化医療が進むと期待されています。
  • 医師との会話がスムーズに:「足が前に出ないんです」と伝えるだけでなく、より具体的に症状を共有できるようになります。
白石

今回の論文で非常に共感したのは、「チョコチョコと焦って歩いてしまう状態(突進現象の一部)」も、すくみ足の仲間(非震え型)として整理された点です。

「足が止まること」だけがすくみ足だと思っていると、ご自身の症状をうまく先生に伝えられないことがあります。「動き続けてはいるけれど、思ったように前に進まない」というのも、立派なすくみ足の症状です。

「これは私の気のせいじゃないんだ」
「病気の症状の一つとして認められているんだ」

と知るだけでも、少し心が軽くなりませんか? すくみ足の正体がわかれば、対策も立てやすくなりますよ。

すくみ足の「タイプ」を観察してみよう

今回の研究結果をふまえて、明日からの生活に取り入れられるアクションプランをご提案します。

1. 自分の「すくみ足」を観察する

自分が動けなくなった時、足はどうなっていますか?

カチコチに固まっている?(無動型)
・膝や足首がガクガク震えている?(震え型)
・その場でチョコチョコ足踏みしている?(非震え型)

今度、診察の際に「私は、足が震えて止まってしまうタイプです」と主治医に伝えてみてください。より的確なアドバイスがもらえるかもしれません。

2. 「合図」を使ってリセットする

どのタイプであっても、すくみ足の特効薬的なリハビリは「合図(キュー)」です。

  • 「1、2、1、2」と声を出す。
  • 床の模様またぐ。
  • 手拍子をする。

今回の定義にある「効果的な一歩が出ない」状態を断ち切るには、脳に別のルートから指令を送るこの方法がやはり有効な手法の一つです。

3. 「転びそうになった」も記録する

今回の定義では、転倒しそうになったけれど持ち直した「ヒヤリハット」も、すくみ足の終わりの合図や、重要なイベントとして注目されています。 「転ばなかったから大丈夫」ではなく、「転びそうになった」ことも、リハビリの先生や医師にぜひ教えてください。

そこに対策のヒントがあるかもしれません。


まとめ

  • 世界中の専門家が、パーキンソン病の「すくみ足」の定義を統一しました。
  • 足が止まるだけでなく、「震え」や「効果のない足踏み」もすくみ足に含まれます。
  • 正しい分類ができるようになったことで、将来的に、より効果的な治療法の開発が期待されています。

「すくみ足」は手強い症状ですが、研究は着実に進歩しています。

正体がわかれば、怖がりすぎる必要はありません。

焦らず、あなたのペースで、一緒にリハビリを続けていきましょうね。


参考文

Nature Reviews Neurology, Consensus statement: An updated definition of freezing of gait (2025).
https://doi.org/10.1038/s41582-025-01179-3

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