
パーキンソン病をもつ方の多くが、運動症状だけでなく、
「眠れない」
「夜中に何度も目が覚める」
「朝起きても疲れが取れていない」
といった睡眠の悩みを抱えています。
でもそれに対して、薬だけじゃなく「運動」が改善のカギになるかもしれないとしたら、興味が湧きませんか?
今回は、私が読んでいて「これは本当に皆さんに伝えたい!」と思った最新の論文をご紹介します。
それは、運動によってパーキンソン病の睡眠の質が改善されるという内容です。
どんな運動をしたの?難しくないの?
研究に参加した方たちは、高強度のレジスタンストレーニング(筋トレ)と自重トレーニング(スクワットやステップアップなど)を週3回行いました。
たとえば、こんな感じの内容です。
• 脚の筋力を鍛えるレッグプレス
• 上半身の力をつけるチェストプレス
• バランス能力を高めるスクワットやステップアップ
もちろん、個人の体力に合わせて強度や回数は調整されていて、無理のない範囲で継続できるようになっていました。

「“高強度”って聞くとハードル高そうですが、あくまで“その人にとっての強度”です。ちゃんと調整すれば、70代・80代の方でも安全にできますよ!」
運動の結果、どう変わったの?
いちばんの注目ポイントは、「運動をした人」と「しなかった人(睡眠衛生の話だけを聞いた人)」を比べた結果です。
まず、睡眠効率(ベッドにいる時間のうち、実際に眠れていた割合)が大きく改善しました。
運動群では、平均して約12%も睡眠効率がアップ!これはかなり大きな変化です。ほかにも、
• 夜中の覚醒時間(WASO)が短くなった
• 深い眠り(N3:徐波睡眠)の時間が増えた
• トータルの睡眠時間が伸びた
など、睡眠のあらゆる側面において運動が良い影響を与えたことがわかりました。
さらに興味深いのは、「一度の運動ではそこまで変化は出ないけど、継続した運動で効果がしっかり現れた」という点です。



「やっぱり“継続は力なり”ですね…。三日坊主ではダメということです。地道に続けることが何より大切なんです」
睡眠薬とどう違うの?
パーキンソン病の方で、眠れないからと睡眠薬に頼っている方も多いかもしれません。もちろん必要な場合はありますが、この研究では運動をしたグループで睡眠薬の使用が減ったという報告もありました。
運動は、
• 副作用がなく
• 睡眠の“質”自体を高める
• 他の症状(筋力やバランス)にも良い影響がある
という点で、睡眠薬とは全く違うアプローチです。



「睡眠薬って、日中の眠気やふらつきのリスクもあるんです。でも運動なら、夜はよく眠れて、昼間も元気になる。まさに一石二鳥なんです!」
自費リハビリでどう活かせる?
この研究のようなプログラムって、病院のリハビリではなかなかできないことが多いです。時間や制限の都合で、マンツーマンの高強度運動を週3回なんて現実的じゃないですよね。
でも、自費リハビリならそれが可能です。
たとえば、
• 自宅でできるプログラムを作ってくれる
• 定期的にオンラインや訪問で運動をチェックしてもらえる
• 一人では続けられない人でも“並走してくれる人”がいる
こうした自費リハビリの仕組みを活かせば、安全に・効果的に・継続的に運動できる環境が整います。



「医療保険の枠にとらわれず、本当に必要なリハビリを“続けられる”のが自費の魅力です。パーキンソン病の方には、長期的な視点で支援できる体制が必要なんです」
睡眠の悩みを抱えている方へ
「夜眠れないのは、歳のせい」
「パーキンソン病だから仕方ない」
って、あきらめていませんか?
でも今回の研究は、「あきらめなくていいんだよ」と教えてくれています。
しかもそれは、特別な薬や手術ではなく、ちょっとした運動習慣で手に入る変化かもしれません。
もちろん、すぐに100%眠れるようになるわけではありません。
でも、“脳から変わっていく”という感覚は、リハビリの力を信じる私たち理学療法士にとっても、心強い希望です。
パーキンソン病の未来を変えるのは、運動かもしれない
これまで、パーキンソン病というと
「進行する」
「治らない」
「薬に頼るしかない」
といったイメージが強かったかもしれません。
運動には、筋力やバランスだけでなく、睡眠、認知機能、気分、そして生活の質全体を高める力があります。
そしてそれは、一人で始めるのが難しくても、信頼できる理学療法士と一緒なら、必ず続けていけます。
これからも、科学的な根拠に基づいた理学療法と、自費リハビリの可能性を皆さんと一緒に広げていきたいと思います。
参考文献
Amara AW, et al.Randomized Controlled Trial of Exercise on Objective and Subjective Sleep in Parkinson’s Disease.
https://doi.org/10.1002/mds.28009
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